MF10 ⼤島 僚太
チームに⽋かせない存在に
⾃分たちはやれるんだ、という思いを皆が持って
- 2021年はどんなシーズンになりましたか?
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全ての選⼿が「フロンターレを強くしたい」という思いを持って戦えたシーズンだったと感じます。
中⼼選⼿が引退したり、海外に移籍したりすることで勝ち点が稼げなくなるチームがあります。試合数は違うけど過去最多の勝ち点を稼ぐことができました。それは中村憲剛さんをはじめ⼤切な⼈たちがいなくなっても⾃分たちはやれるんだ、という思いを皆が持ってこられたからだと思います。 - 個⼈としてはケガで苦しんだシーズンでもありました。
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⾟さしかなかったですね。復帰できたと思ったらまたケガをして。ゴールが⾒えていればモチベーションを上げるやり⽅を⾒つけられたかもしれないけど、ケガをしている期間も⻑くなって、スイッチが⼊りにくかったです。
夏ごろ、リハビリ中に⾁離れを起こして、「ああ今季はもう無理なのかな…」と、1番メンタルが厳しくなったタイミングで⼦どもが⽣まれ、⽀えられました。⼦どもの顔を⾒てると、なんだかほわ〜んってしてくるんですよ(笑)。⾃然と笑顔になったりして、⾃分がサッカー選⼿であることを忘れる時間を与えてくれました。 - ⾼卒ルーキーで⼊団されてからもう12年⽬、29歳になられるんですね。
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Jリーガーが引退する平均年齢はすごく若くて、僕も25、26歳で選⼿を辞めるのかなと思っていました。それがこの歳までやれているのはフロンターレが選⼿を⼤切にしてくれるクラブだからだと思っています。
このクラブの強化スタッフは、僕のようにケガを繰り返しているような選⼿にも、すぐに戦⼒外として諦めることなく、親⾝に「どうだ?」って声をかけて⾒守ってくれるんです。他のクラブのことは分からないけど、それは普通のことではないと思う。だからフロンターレには息⻑くプレーできる選⼿が多いんじゃないかと。選⼿に対する愛情をすごく感じさせてくれるクラブです。 - 12年間でクラブの変化は感じますか?
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根本は変わらないですね。特に地域貢献という基本は絶対変わらないし、選⼿がそこへの意識を変えることを許しちゃくれない(笑)。クラブの在り⽅はこれからも変わらないと思います。
ただ試合に勝つだけでは満⾜しないチームになりました。結果が出たからこそ、そこはより求めていかなくてはいけないと思います。 - 若⼿の頃の⼤島選⼿は、⼝数が多くないイメージがありました。でもここ数年はよく話をしてくださるようになりましたよね。
- 今も取材は得意じゃないですよ(笑)。ただ、「⾔葉にすることで頭が整理されるよ」と中村憲剛さんから⾔っていただいたことがあって。実際、話すことで⾃分の中で整理できて、プレーでもいい影響があると感じています。⾃分でも変わったなと思います(笑)。
- 今年はどんなシーズンにしたいですか?
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1年を通してプレーしたいです。離脱する時間が⻑くてプレー時間が短くなると、実はある意味気持ちを⾼く保ちやすいんです。
むしろうまくいかない時の⾃分を⽬の当たりにしたい。シーズンを通してプレーしないと感じられないことがあるんですよ。浮き沈みのあるなかで、沈んでいるときに⾃分がどれだけのプレーを⾒せることができるのか。それを楽しみにしているんです。そして「チームに⽋かせない」と⾔われる存在になりたいと思っています。
はにかんだ笑顔が印象的であまり前に出てこない、シャイなイメージ。加⼊当初からチームメイトやサポーターから親しみをこめて「リョウタ」と呼ばれ、まるで皆の弟分のように愛されてきた⼤島僚太選⼿。その⼤島選⼿は今やプロ12年⽬のシーズンを迎え、⽣え抜き選⼿としてチームの歴史を背負い、未来を作っていく存在です。私⽣活ではパパにもなり、ますます頼もしさが増してきました。