GK21 安藤 駿介
思いはブレない
勝ちにいくプロセスや過程も、今の自分には大事
- プロ14年目のシーズンですね。
- 自分でもよくやってきたなって思いますね。名前を知られた選手でも代表選手でもなかった僕が、チャンピオンチームでこんなに長くプレーが続けられているのは、振り返っても幸せなことだと改めて思います。
- GKというポジションの性質上、試合に出られない悔しさを抱えることもあるはずですが、安藤選手を見ているとサッカーができる喜びを感じます。
- 自分の好きなことを仕事にしていることでもう幸せなんですよ。それにもし僕が試合に出られないなかで鬱憤を抱えて、練習でそういう態度を見せてしまったら自分の周りから人は逃げていってしまう。自分のなかで発散するところは作っていますけど、実際はそれよりも楽しんでいます。
- そういうメンタルでいられることは簡単ではないと思います。
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メンタルが強い、落ち着いてるってよく言われるけど母親からは「あんたなんにも考えてないだけでしょ」と言われますけどね(笑)。
母は日体大のボウリング部出身の体育会系なんですよ。当時のアマチュアの全日本で優勝するレベルで。だからスポーツを通しての人間性は口が酸っぱくなるまで言われてましたね。上にいけばいくほど下手に出なさいと。そうじゃないと人は離れていくからって。その影響は受けているかもしれません。 - 他のクラブに移籍をするという選択をしてこなかったのは?
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あまり言葉にしたくはないんだけど、やっぱり好きなんですねフロンターレが。小さい時からこのクラブでプロになるって決めて、その思いをずっと持っていて。自分が居たいクラブでプレーができるなら幸せじゃないの?って。
逆に聞きたいです。サッカー選手じゃなく会社員の方でも、自分が好きな環境で仕事ができるのに他の環境に行きたいと思いますか?って。 - 難しいですが、他の会社でお給料がすごく上がるならちょっと考えるかもしれません(笑)。
- そこですよね。でも、それは今の環境でも努力次第で手に入れることはできません?僕で言えば、出場機会を求めるのであれば、ここで努力してそれを叶えたいんです。ここで勝負してフロンターレでレギュラーを勝ち取ることだけを考えてます。もちろん他の選手との勝負なので結果は分からない。でもその勝ちにいくプロセスや過程も、今の自分には大事だと思ってます。
- 安藤選手にとってフロンターレの魅力ってなんでしょうか?
- 僕はフロンターレの選手というものに対して憧れから入ってますから。ある意味サポーター出身なんです。毎年、契約してもらえることにとても感謝しているし、契約してもらえる以上は選手として全力でやろうと。綺麗事かもしれないけど、フロンターレでプレーすることにやりがいがあります。僕のこの意見に賛同してくれる選手ばかりではないと思いますよ。プロである以上、出場機会を求めるべきだという意見が大多数だと思う。でも周りにそう言われてもこの思いはブレないと思います。
- 今季はどんなシーズンにしたいですか?
- やっぱりまず試合に出ること。2014年に(レンタル移籍していた)湘南ベルマーレからフロンターレに戻ってきてから、公式戦は2016年のルヴァンカップ1試合しか出てないんです。僕がプレーしている姿を見たことがないサポーターがいると思う。ピッチでしっかりとしたプレーをして、結果を出して。まずはそこからだと思うので、そこを目指してやっていきたいですね。
選手会長として頼りになる存在の一方、チームメイトからは「いじられキャラ」として愛される存在でもある安藤選手。サポーター、クラブ関係者はもちろん、私たち取材陣にも「あんちゃん」と親しまれています。FMサルースで放送中の『ミュージックフロンティア』では、ハードな練習を終えた後でも何度も快くスタジオ出演をしてくださいました。
「フロンターレを知ってもらうことも選手の仕事」という思いでピッチ外の仕事にも全力で取り組んでくれる安藤選手のピッチでのプレーを、2022シーズンは絶対に見たいです!