MF14 脇坂 泰斗
14番を背負う
14番の重圧はつけるまで分からなかった
- 今季からフロンターレのレジェンド・中村憲剛さんの背番号「14」を引き継ぐことになりました。「怖い気持ちがある」とブログに書かれていましたが、どんな思いからですか。
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そのときの気持ちは一つじゃないんですよね。一言で表すことができない感情があるなかでの「怖い」という気持ちでした。
特に14番をつけると決まったときにその怖さを感じて。批判的な声があるんじゃないかという怖さと、一方で自分に期待してくれている人の思いに応えていけるのかという怖さですね。 - 14番をつけたいという気持ちはありましたか?
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はい、それはもちろん。だから、14番をつけたいという意思は自分からクラブに伝えました。でもその重圧やプレッシャーは実際につけるまで分からないものでしたね。
ただ今は、試合のときに自分の背中を押してくれる存在になっています。 - 脇坂選手が14番をつけることを期待する声はサポーターからも多かったです
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「自分しかいない」という思いはあったし、もちろん自分が選手としてまだまだなのは分かっているなかで、こうしたことを経験して成長したいという思いがあって。
14番をつけている選手はサッカーをしている人たちから憧れられる存在にならなきゃいけない。僕もそういう選手になっていきたいですね。 - 話は変わりますが、ご結婚されて3年目ですね。結婚してよかったと思うのはどんなときですか?
- やっぱり家に帰って迎えてくれるときですね。それは結婚してよかったな、と毎日思います…いや毎日はちょっと盛りましたね(笑)。
- サッカーにも良い影響はありますか?
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それはあると思います。やっぱり家での食事やその他の面でもいろいろサポートしてもらえるのはとても助かっているし、影響は絶対にあります。
だけど選手としてそういう影響を受けないようにしたいとも思っていて。どんな環境下でもプレーできる選手でいたいんです。アウェイやACLの戦いもそうですが、厳しい環境でも高いパフォーマンスを保ちたい。だから、結婚したことで選手として良い影響はあるんだけど、あると思いたくなくて。 - なるほど
- だから僕はルーティンとかも作らないんですよね。何かあったときに、あれをしなかったせいだとか思いたくない。どんな状況でも、いつもと同じパフォーマンスをしたいんです。結婚したことが選手として良い影響はあることは間違いないんですけど、それをそうだとは言えないです。すみません、話がうまく伝わったかな(笑)。
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はい、脇坂選手の考え方がよく伝わりました(笑)
最後に今季のチームについて伺います。上位にいるものの、圧倒的な強さを見せての勝利は多くありません(取材時3月末時点)。そのあたりをどう感じていらっしゃいますか? -
もっと圧倒して勝ちたいという思いはあります。ただ、チームが勝ち方を知りつつあるとも感じてます。選手同士で話したりするんですが「我慢して一発のチャンスで勝つ」という試合は、たまたまの勝利ではなく必然だという感覚なんです。その感覚は少し前まではなかったものですね。
去年の終わりごろからかな、自分たちが崩れなければ勝てるという感覚を持てるようになりました。これはチームの成長でもあると思っています。
だけどこれまでと違う勝ち方をしている分、自分たちの良さが消えつつあるとも感じてます。これからもっと点を取って勝てる試合も見せていきたいと思っています。
その爽やかなルックスから「プリンス」と称される脇坂選手。本人は「人見知りです」と言うものの、私たち報道陣が話しかけると笑顔で雑談に付き合ってくださるフレンドリーな選手です。
自分から話しかけるのはあまり得意ではないそうですが、「話しかけてもらうのは嬉しい!」とのこと。以前のように練習場で選手と触れ合える日常が戻ったら、ぜひどんどん話しかけてみてください。