FW19 遠野 大弥
気持ちで負けない
負けたくないという気持ちの部分が更に強くなった
- 遠野選手が本格的にプロを目指したのはわずか3年前だと伺いました。
- そうです。所属していたHonda FC(社会人サッカークラブ)での3年目に、天皇杯での活躍を認めてもらってからですね。
- 高校サッカー選手権にも出場していましたが、それまでプロを意識したことはなかったということですか?
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そんな自信はなかったし、自分がプロになんてなれるわけがないと思っていました。高校を卒業した後は、少しでも上のレベルでやれればいいなと思ってHonda FCにお世話になることにしましたけど、その先にプロを意識していたわけではないです。
でも、その天皇杯でJリーグチームと対戦して、試合に勝って、自分もこれだけやれるんだなと自信がついて。プロからも声をかけていただいたし、天皇杯はその後の自分の方向を決める指針になりましたね。(遠野選手の活躍もありチームはこの年ベスト8進出)
そうじゃなかったらそのままHondaでサッカーを続けて、引退後も会社員としてお世話になる道を進んでいたと思います。 - 会社員として車の部品を組み立てる部署でお仕事されていたそうですね。
- 午前は勤務、午後はサッカーの練習という日常でした。安定した将来も見込める恵まれた環境だったと思います。ただ、勤務時間が短いので一般入社の社員とは知識や作業効率の差がついてしまうんです。社員としても仕事を全うしたい気持ちがあるのに、自分は会社から信頼される仕事ができているのか?という葛藤もありましたね。
- 社会人を経験してJリーガーになる選手はそんなに多くいません。経験が役にたっていることはありますか?
- ピッチ外のことですけど、周囲に目を配れるところは身に付いたんじゃないかと思います。今先輩と仲良くしていただけるのも、社会人時代に人との付き合い方を学んだことも大きいと思いますね。いい距離感で仲を詰めていけます(笑)。
- プロ3年目を迎えていかがですか?
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サッカーと向き合う時間が増えて、24時間サッカーのことだけ考えられるというのは楽しいです。改めて、プロサッカー選手は素晴らしい職業だなと。
ACLで世界を経験できたことも自分にとっては大きなことでした。負けたくないという気持ちの部分も更に強くなったと思うし、自分が成長できていることを感じます。 - 遠野選手は、「絶対負けない」という気持ちの部分も強みのひとつですよね。
- 鬼木監督も言いますが「気持ちの部分で負けていたら試合に負ける」と。そこは意識しています。昨シーズンは技術的なところをフロンターレで身に付けることができたので、今季はその技術の部分を存分に発揮していきたいです。
- 最近の活躍を見ていると順調にチームの中心選手になれそうですね。
- いや、それは全然。自分では満足できてないです。もっと目に見える結果が必要だし、そのために自分の良さを忘れずにどんどん出していくつもりです。
- これからの目標を教えてもらえますか?
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フロンターレのなかで必要不可欠な選手になっていきたいです。そこから将来的には…う~ん、その先のことは何も出てこないですね(笑)。
毎日毎日、次のことを考えられないくらい刺激的な日々を送っているので、やっぱりまずはこのチームで結果を出したいのが1番です。
フロンターレの不動のレギュラーとして試合に出続けること。そして自分が勝利に貢献してチームがタイトルを獲ること。それが今頭の中にある目標です。
社会人を経験されているからでしょうか。インタビューをしていても、最初の挨拶や話し言葉もとてもしっかりとされていて、今年23歳になったばかりとは思えません。
一方で、真面目な話の合間にちょこちょこおもしろいことを呟いたりする面も。そういえば新入団会見では「あばら骨のサンバ」という一発芸で、強烈なインパクトを残してくれていました(笑)。
大事にしているのは「パッション」だそう。いろいろな魅力を持ち合わせた遠野選手にぜひ注目してください!