MF16 瀬古 樹
チームを勝たせる
フロンターレでプレーするチャンスを逃したくなかった
- フロンターレに加入して半年。当初は戸惑うこともありましたか?
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僕にとって初めての移籍で、フロンターレには同じ歳の選手も仲良くしている選手もいなかったので、やっぱり最初は「どうしよう」って思っていたんですよ。
でもフロンターレはすごくアットホームな雰囲気で。加入が発表されてすぐにノボリさん(登里享平選手)がSNSでDMをくれたり、初めてグラウンドに行ったときも練習していた選手たちが「ボール回しに入れよ」って声をかけてくれたりして。僕自身もいろんな方と話ができるタイプなので、スムーズにチームに入っていけました。 - 横浜FCではキャプテンを任されていましたが、大卒2年目で大役を務められていましたね。
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最初監督から話を聞いたときは僕には無理だと伝えたんです。それでも「お前に任せたい」と言っていただき、先輩方からの後押しもあって引き受けました。
それまでは「自分はここで何ができるか」を考えていたのに、キャプテンになってからはチームの勝敗がサポーターやスタッフの皆さんに大きな影響があることを感じて…今思うと考えられないような責任感を感じながらやっていましたね。降格したことを含め、僕にとって凄まじい経験でしたけど、プロ2年目でなかなかできない経験をさせてもらったことは感謝しています。 - 苦しかったけど感謝なんですね。
- 僕にとっては、経験したくてもできないことを経験させてもらえたなと。これは自分のこれからのサッカー人生のなかで絶対に忘れられない、いつでも蘇ってくる経験だと思っています。自分をキャプテンにしてくれたクラブや監督には本当に感謝しています。
- そしてフロンターレへの加入は大きなニュースになりました。なぜフロンターレだったのでしょうか?
- オフにいくつかのチームからオファーを頂いたんですが、その中にフロンターレからのお話があって。今このオファーを受けなかったらもう2度と僕がフロンターレでプレーするチャンスはないな、次なんてないだろうな、と。自分が試合に出られるかどうかじゃなくて、このチームでプレーする機会を逃したくないと思って決めました。
- フロンターレ加入の決断を今どう感じていますか?
- 間違ってなかったですね。試合に出る・出ないという状況は横浜FCの時とは違いますが、その厳しい競争があることは百も承知で加入を決めていますから。まずこの厳しい環境で自分を成長させたいと思ってフロンターレに来て、実際まだ半年ですけどここで練習しているだけでも自分の技術が向上しているのを感じています。
- チームのなかで存在感も増してきています。ここから競争に打ち勝つ手応えはいかがでしょう?
- 最初はチームに「合わせなきゃ」と考えながらプレーしていたり迷いもあったんですけど、今はやるべきことが自分のなかで整理されてきました。チームに合わせるところは合わせながら、自分のプレーでチームを勝たせるという考えに変わってきています。僕がこのチームに来た意味は「成長する」ということだけじゃない。このチームでポジションを勝ち取ることなので、それを体現していけるようにまず結果を出していきたいと思っています。
昨季、残留争いをしているチームのキャプテンとして、チームをまとめる姿が印象的でした。インタビューをしてみて、キャプテンを任せたくなった当時の監督の気持ちが少しわかった気がします。
その「しっかりしていて頼りになりそう」という印象の反面、好きなキャラクターはスヌーピーでそのTシャツが部屋に飾ってあるという可愛らしさも(笑)。そのギャップがいいですよね!
出場時間も増え存在感が増してきている瀬古選手。優勝争い終盤に向けてフロンターレのキーマンとなってくれそうです!