DF5 谷口彰悟×DF7 車屋紳太郎 DF5 谷口彰悟×DF7 車屋紳太郎

DF5 谷口彰悟×DF7 車屋紳太郎

良きライバルとして

紳太郎は僕とは真逆のタイプ

幼稚園の頃からの幼なじみで、学生時代はもちろんプロとしても同じチームでプレーしています。プライベートでゆっくり話すことはありますか?
谷口
それは…ないですね(笑)。プロに入ってから2人でご飯に行ったことあったかな?
車屋
1、2回はあったかもしれないけどもう記憶にないな。
谷口
たぶん紳太郎は僕に気を遣うのが嫌なんですよ。先輩に気を遣うのが嫌なタイプだから、どちらかというと年下の選手を連れて行くよね。
車屋
それはありますね(笑)。
谷口
紳太郎は僕だけじゃなくてほかの先輩からの誘いも気にせず断っちゃいますからね。
谷口選手は先輩から誘われたら絶対行くタイプですよね。育った環境は似ているけど、キャラクターは正反対に見えます。
谷口
そう、全然違います。
谷口選手から見て車屋選手はどんな方ですか?
谷口
僕も未だに紳太郎のことが分かってないけど(笑)。紳太郎はマイペースっていうか、自分のペースを乱されたくない人。だから先輩の誘いをあっさり断って、自分のペースで動けるように自分が人を率いていくんです。
でも昔からやることはきっちりやるタイプで、そこも僕とは真逆かな。僕は実はいろんなことをテキトーにやるし、時間ものんびりしちゃう。
車屋
彰悟さんは意外とそうだよね。
谷口
紳太郎は時間もきっちり守るし、きれい好きだし。だからこいつのこだわりが全然分からないんですよ。

彰悟さんは常に僕の先を行く存在

車屋選手は谷口選手をどう見ていますか?
車屋
大変そうだな~って(笑)。周りから「しっかりしてそう」って思われてるじゃないですか。キャプテンだし、あと、かっこよくいなきゃいけないし(注・谷口選手はサポーターから『イケメン』と親しまれています)。疲れそうだな~と。本当はそういう人じゃないところもあるんじゃないかな?無理してるんじゃないかな?って。
谷口
確かに、「生き辛いな」って思うことはあるね(笑)。
車屋選手は「谷口選手をいつか追い越したい」と言っていましたね。
車屋
はい。彰悟さんは常に僕の先を行く存在で、子どもの頃からすごいなって思い続けています。これだけ長く一緒にやってきて、1度くらい追い越せてもいいのになって今も思っていますね。
今まで1度も「追い越した」と思ったことはないですか?
車屋
ないです。彰悟さんの存在感というか、チームを引っ張っていく力は自分には全然足りないところだなと。彰悟さんのいるときは、チームの締まり方が全然違うんですよ。プロになってよりそのすごさを感じるようになりました。
谷口選手も「車屋選手に負けたくない」と言っていましたが、車屋選手の魅力はどんなところでしょう?
谷口
能力が高くて、どこのポジションで出ても高いレベルでプレーができる選手だと。今は同じCBですが、困ったときにドリブルで運べるし、左からのフィードも付けられる武器も持っている。いいライバルでもあるし、一緒に組んだときはいい守備を構築していければという思いでやっています。
谷口選手は将来の目標を「監督をやりたい」と口にされていますが、そのときは車屋選手をコーチで呼びたいとおっしゃっていましたね。同じサッカー観を持っていると感じているからこそだと思いました。
谷口
そうですね、それはあります。あと、僕の予想では、紳太郎はけっこうな年齢がいくまで動けそうなんです(笑)。だから選手に練習入らせたりボール蹴ったりが長くやれそうだなって。そういう人がいるとトレーニングの質が上がるんですよ。
車屋選手、呼ばれたら行きますか?
車屋
ほかに仕事なかったら行くしかないですね(笑)。いやそのときはぜひよろしくお願いします。なんでもやります。
谷口彰悟 プロフィール

【谷口 彰悟】1991年7月15日生まれ 熊本県熊本市出身 クラブ公式プロフィール
大津高校から筑波大学へ進み、2014年フロンターレ加入。対人の強さ、統率力を武器に持つフロンターレの守備の要であり、キャプテンとしてもチームを牽引する存在。

【車屋 紳太郎】1992年4月5日生まれ 熊本県熊本市出身 クラブ公式プロフィール
大津高校から筑波大学へ進み、2015年フロンターレ加入。スピードとテクニックを併せ持ち、その左足から出す長短のパスが魅力のDF。今季はCBを主戦場にしているが、SBやボランチなどユーティリティー性も持つ。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

谷口選手と車屋選手の2人の特別な関係はサポ―ターの間では有名です。実家は歩いて30秒、幼稚園から大学まで一緒。同じサッカー部で汗を流してきたことはもちろん、小さい頃からの遊び仲間という文字通りの「幼なじみ」です。
本人たちは「たまたま同じルートをたどってきただけ」と言いますが、互いに移籍することもなく、30歳を超えた今も同じプロクラブでプレーし続けていることはやはり特別ですし、もう運命の間柄としか思えません。
いつかフロンターレで監督とコーチとしてベンチに座っている…そんな姿を妄想してニヤニヤしてしまいます。