MF10 大島 僚太 × FW11 小林 悠
身体が本能で動く
悠さんはチームを引っ張る存在
- 長く一緒にプレーされてきて、お互いどんな存在でしょうか?
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- 小林
- 僕にとってずっと僚太はとにかくかわいい(笑)。僕のなかでは今も高卒でチームに入ってきたままなんですよね。
- 大島
- 悠さんの最初の印象は「先輩と絡むのがうまいな~」って。うまく懐に入っていく人だなと。けどその印象が、悠さんがキャプテンになった頃からガラッと変わりました。チームを引っ張っていく存在になっていきましたね。
- 小林選手がキャプテンになったのは2017年でしたが、身近で変化を感じられていたんですね。
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- 大島
- 印象に残っているのが、その年のホーム、ベガルタ仙台戦で。42分に1人退場になって苦しい状況になったなかで、悠さんが同点ゴールを決めたんですよね。そのとき悠さんが喜びながら「見たか!!」って言ったのが分かって。シーズン前のキャンプで、新キャプテンとして決意表明した言葉をそのまま悠さんがやり切ったな、と感じた瞬間でした。
(注・その年のMVP受賞時のスピーチで「キャプテン就任時に『僕は普段頼りないしサッカーもチームのなかで上手くはないけど、チームを勝たせたい気持ちは誰にも負けないからついて来てほしい』と話した」と小林選手が明かしている)
僚太とはイメージが一致する
- 小林選手はピッチ上での大島選手の信頼度をいつも言葉にされますね。大島選手からのパスを受けて小林選手がゴールを決める、というシーンは何度も繰り返されてきました。
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- 小林
- 僚太がボールを持ってくれると身体が勝手に動くんですよ、自分でもびっくりするんですけど。他の選手だと相手の立ち位置を考えつつ自分の動き方を考えますけど、僚太のときは頭で考えずに勝手に身体が本能で動く。この感覚はどうにも説明できなくて。これまでこの感覚を持てたのは、憲剛さん(中村憲剛FRO)と僚太しかいないです。
- 長くやっているからでしょうか?
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- 小林
- でも、初めて高校生の僚太が練習に参加しに来たときから「すごく目が合うな、動き出しを見てくれてるな」って感じて。めちゃくちゃ上手かったし、クラブの強化担当に「絶対加入させたほうがいいですよ!」って言ったのを覚えてます。
僚太との関係はイメージが一致することと、それに伴った技術がないと築けないものなんですよね。
- 大島
- めちゃくちゃ嬉しいです(笑)。ただ、「本能的に動く」という部分でいうと、僕の方は「動いてくれ!」って念を送っているところがあって。僕がパスをもらう前に「(悠さんに)こう動いてくれ~」と念を込めて、実際に出すタイミングで見たら「ああ、やっぱりそこに動いてくれていた」という作業を積み上げてきた感覚です。だからさっき悠さんが高校生の僕の話をしてくれましたけど、そのときよりもっと積み上げられたかな、とは思っています。
- お二人はフロンターレで10年以上プレーされてきました。今後の目標などお持ちでしょうか。
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- 大島
- 僕ができることは僕がやってきたことでしかないので、それをたくさんの人に伝えていきたいです。フロンターレが強いチームであり続ける基盤は上の人たちが残してきてくれたものですが、自分自身が活躍して、選手が変わっても勝つために大事なものを繋いでいければ。技術や考え方も含めて「こういうサッカー選手になりたい」と感じてもらえるプレーヤーになっていきたいです。
- 小林
- 僕はもうベテランと言われる年齢になって、毎朝どこかしら痛いというところから1日がスタートするんですね(苦笑)。苦しくて「何のために頑張っているのかな」と思うときもあって。でも等々力でゴールを決めると「俺はこのためにやってるんだな」と毎回感じることができるんです。やっぱりゴールを決めることがサッカー選手としての全てだと思っているので。これからも年齢関係なくチームを勝たせるゴールを決める選手であり続けたいと思っています。
今回は長くフロンターレで活躍している小林選手と大島選手が登場!お二人のプレーは見ている私たちをいつもワクワクさせてくれます。そのあたりのお話が伺えて楽しかったです。何より大島選手がお話されている間、優しい表情でうんうんと頷く小林選手の様子が微笑ましくて。小林選手は本当にいつまでも大島選手がかわいいんだな、と。
練習後にシュート練習している大島選手を見ながら「僚太、かわいいな~」とチームメイトに呟いちゃったりするそうです(笑)。ピッチ内外でお二人が生み出すものを、これからも見ていきたいと思います。