GK99上福元 直人 GK99上福元 直人

GK99 上福元 直人

フロンターレの「勝負魂」を取り込む

少しでも興味を持ってもらいたい

加入から数か月経ちましたがフロンターレの雰囲気はいかがですか。
プレー面でいうとやっぱりクオリティの高さがあって、自分が成長できる環境に飛び込むことができたな、と改めて感じてます。
雰囲気としては…初日からすぐにチームメイトがイジってきたのはびっくりしました(笑)。僕、年々人見知りが激しくなっていて、最初はちょっと様子をうかがおうと思ってたんですよね。でもそんな間もなくいろんな選手がどんどん絡んできて。そこにリアクションすることに追われて、初日からハードワークを強いられました(笑)。
移籍を多く経験してきた上福元選手でもなかなか経験がないことなんですね。
みんなが、僕をチームに早く溶け込めるように働きかけてくれたんですよね。早い段階で「もうすっかりチームに慣れたね」って言ってもられるようになったのもそういう周りの選手たちのおかげなので、そこはすごくありがたいなと思っています。
背番号は99番ですね。珍しい数字を選ばれたなと思いました。
僕はここ何年も21番を付けてたんですけど、フロンターレではその番号が空いてなくて。じゃあどうしようと考えた時に、今年から51番以上の番号を選べるようになったと聞いて、だったらその新たなことに自分がトライしたいなと(注:今季からJリーグのユニフォーム規定の変更に伴い51番以上99番以下の番号も選択できるようになった)。選べる数字の中で1番大きい、インパクトを与える数字を選んでみました。こうやって「なんで99番なのかな?」って興味を持ってもらえることもあるかな、とも思って。何も思ってもらえないより、少しでも興味を持ってもらえたほうがいいですからね。
前所属の京都サンガF.C.では正GKとしてポジションを掴んでいました。フロンターレへの移籍は悩まれましたか?
正直なところ悩みました。どちらを選択すれば自分が成長できるのかと。2つの選択肢のなかで、自分がここからどう大きくなっていけるかをイメージしながら考えましたね。
これまで僕は誰かに進路を相談して決めるタイプではなくて、直感で決めてきたところがあるんですけど、今回は何人かに相談したりして。いろんな意見を聞きながらかなり悩んで決めました。
その結果フロンターレを選んだ理由を教えてもらえますか?
このチームがこれまで残してきた結果は、自分には全く経験がないものなんですよね。タイトルを多く獲ってきたチームの持つ力に興味があって、その興味を抑えきれなかったです。フロンターレの持つ「勝負魂」みたいなものを自分に取り込みたいと思ったんです。
現在フロンターレは勝てない苦しい時期が続いています(4月中旬時点)。「俺を使えよ!」って気持ちももちろんありますよね。
そのための準備は最大限やっているつもりだし「チームが自分を必要として使われる」いつその時が来てもいいように、いつも(試合に出る)イメージを持ちながら練習に取り組んでます。どんな時も、最高の準備をし続けることが大事ですから。
日々勉強しながらも、当然このクラブを勝たせる存在になる覚悟で移籍して来たので。勝ちに貢献する選手だと認めてもらえれば、おのずと出場機会が増えてくるものだと思っています。
1枠を争うGKというポジションは大変だといつも感じます。キーパーのおもしろさとはなんでしょう?
キーパーはゴールのすぐ近くにいて、勝敗に直結するポジション。緊張感や責任感をいつも感じてプレーしています。
一方で、ゴールを守るのは大前提なんですけど、僕のプレースタイルの積極的に得点に絡んでいくプレーを見せることができるおもしろさもある。みなさんにぜひ僕の良さを感じられるプレーを見てもらえれば嬉しいです。
プロフィール

【上福元 直人】1989年11月17日生まれ 千葉県千葉市出身 クラブ公式プロフィール
今季京都サンガF.C.より完全移籍で加入。順天堂大学卒業後、2011年大分トリニータ(当時J2)でプロキャリアをスタート、J3、J2カテゴリーで着実にキャリアを積み徳島ヴォルティスではJ1昇格に貢献。昨シーズンは京都サンガで正GKとして活躍した。「攻撃的GK」とも評される、果敢にエリアに飛び出していくアグレッシブなプレースタイルが持ち味。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

上福元選手といえば、昨シーズンまで在籍していた京都サンガで、大事な試合でスーパーセーブを連発してチームを助ける守護神として「神」福元と呼ばれた存在(正確には、京都サンガより以前の在籍チームでもそう呼ばれていました)。その選手がチョン・ソンリョン選手という絶対的守護神のいるフロンターレに移籍してくると聞いた時は驚いたのですが、お話をしてみて「常に成長したい」という思いを強く持っている方なんだな、と納得しました。そしてお話のなかに「興味」という単語が何度もでてきて、いつも興味や好奇心の勝る道を選んできたのだろうな、とも想像しました。
現時点(4月中旬)でまだリーグでの出場はありませんが、カップ戦では無失点を積み重ね、既にソンリョン選手の牙城を脅かす存在になっています。フロンターレの「神」福元選手にも注目してください!