オフの期間の準備がいい方向に転がった

昨年お話を伺った時は「フロンターレに加入して技術の差を感じることがある」とおっしゃっていましたが、そのあたりは解消されていると感じます。

そうですね。昨シーズン、練習後に居残りで自主練習に取り組んだりしてきた中で、自然とできるようになってきたなと。今季は気を遣うことがなくなったというか。

気を遣うことがなくなった？

例えば、加入した頃は、フロンターレ特有の「ボールを止める」というものがこれまでの僕の概念としてなかったんです。そういう部分を埋める作業をコーチと共に練習でやってきて。それらが自分に染み付いたことで、自然とストレスがなくなっていきました。

今季はスタメンの機会もゴール数も大幅に増えていますね。

昨シーズンが終わった後、「こんなシーズンになるはずじゃなかった」と思うところがありました。そしてこのチームでもう1年やると決まった時に、オフの期間に映像を見直したりいろんな比較をしながらしっかり整理をして。そこをキャンプからトライしたことが、全部いい方向に転がりました。うまくチームに馴染めるようになったのと同時に、自分の色も出せるようになったと。

先日、自分はプレーの特徴が分かりにくい、と話されていましたね。

僕のプレーは特徴が分かりづらいというか、見えづらいんじゃないかと思うんです。サッカーを知らない人にも分かってもらうには、やっぱり「この人、点取れるね」とか「アシストしたね」というところかなと。そういう意味でも数字を増やしていきたいと思ってます。そのために前に入って行ったり、点を取るポジション取りをどんどんやっていこうと。今チャレンジしているところです。

ただ、サッカーに詳しくない人でも、チームが苦しい時に瀬古選手が周りを鼓舞する姿はとても印象的に映ると思います。そこは横浜FC（前所属チーム）でキャプテンを務められた経験が活きているのでしょうか？

確かに残留争いをしていた中でキャプテンをしていたあの経験は貴重なものでした。でも、サッカーをやってたら負けたくないじゃないですか。本当に勝ちたかったら、それは僕だけじゃなくて全員がそうなると思います。だから、周囲を鼓舞するのは当たり前というか、特別なことではないんじゃないかな。

最後になりますが、プロ4年目でJ1リーグ通算100試合出場を達成されました。おめでとうございます。

ありがとうございます。やっぱりJ1で100試合というのはとても意味のあることだし、いろいろな方への感謝の気持ちが大きいです。大学から横浜FCに加入すると決まった時、チームはJ2だったのに、加入の前年に昇格してJ1でプロ生活をスタートできたこともそう。そしてこれまでの監督が自分を使ってくれたからこそ100試合まで来ることができました。

試合前に奥さまから花束を受け取った時はとっても幸せそうでしたね。

ははは（照れ笑い）、はい、嬉しかったですね（笑）。なにより試合に勝てて良かったです。

記念の試合は積極的にゴールを狙いにいってましたね。

決定機があったので決めたかったんですけど、そこがまだまだ僕の課題かと。ただFC東京戦でもシュートの数では結果を出せましたし、そこはポジティブに捉えて。これからも常にゴールを狙う「怖さ」を出していきたいです。