副キャプテンは僕でいいんですか？って

移籍してきてフロンターレの雰囲気はいかがですか？

シンプルに「楽しい」ですね。シーズン前のキャンプでは、食事会場にいるといろんな選手が同じテーブルにどんどん座ってくるんですよ。衝撃でしたね（笑）。 今までいたクラブでは仲の良い選手と固まって食事して、一緒に部屋に戻る、みたいな感じだったので。でもおかげで早くチームに馴染めたし、特徴もつかめてきてプレーのすり合わせもできて、サッカーの部分でも楽しめるようになりました。

加入されてすぐに副キャプテンに任命されました。

ね、すごいですよね（笑）。僕でいいんですか？って。でも（前所属の）名古屋グランパスで3年間キャプテンをやらせてもらっていたこともあって、ありがたく受けさせていただきました。先頭に立って引っ張っていくのはキャプテンの泰斗（脇坂泰斗選手）の仕事だと思うので、自分の役割はみんなが付いていけるように後ろから「よ～っし！」って押し上げていく感覚です。

フロンターレへの加入時に「自分を拾ってくれたフロンターレに恩返しをしたい」とコメントがありました。どんな思いを持たれているんでしょうか？

昨シーズン終わりにグランパスとの契約が満了になった後、年末までどこのクラブに行くか決まっていなくて。もしかして引退も…という考えも浮かんでいたタイミングに、文字通りフロンターレに「拾ってもらった」んです。サッカーができる場所、自分の力で貢献させてもらえる場所を与えてもらったという思いを持っています。僕を獲ってよかったな、と思ってもらえるようなプレーをしてチームに貢献したいですね。

背番号は35を選ばれました。今年35歳になられることに関連していますか？

今まで在籍したクラブでは移籍した時に背番号を毎回変えていたので、今回も今までと被らないように違う番号にしようと思っていたんです。でも自分の好きな番号が空いてなかったんですよね。だから、どうしようかな…と思った時に、今年35歳だなと。今までこんな大きい番号を付けたことなかったんですけど、この番号にしようと決めました。

丸山選手の経歴を調べると、大学時代はJクラブからのスカウトが来ているなかでプロ入りを考えず、就職試験も受けていたそうですね。

考えてなかったというか、僕は高校時代に自分がサッカー選手として満足できなかったので、大学でやり切って終われればいいなと思っていて…まあそうか、それがプロになる気はなかったということなのかな（笑）。 就職しようと決めて、損保会社の入社試験を受けていました。でも最終で落ちたんですよ！しかもその理由が「元気がなかった」って言われて。え、僕の元気がない？どういうこと？って（笑）。

ピッチでこんな大きい声でDFラインを統率している人がですか（笑）。

どうしてなんでしょう？僕が緊張してたのかな。そこで内定をもらえていたら会社のサッカー部に入って、関東勤務になるというところまで決まっていたんですけどね。それが結局今、13年間プロでサッカー選手やらせてもらってます（笑）。

人生って分からないものですね。

いや本当にそうで。もちろんその会社に入れていたらそれも幸せだったかもしれないし、こうしてプロでやっていることが正しかったのかも分からないですけど、今とても幸せなので、この道を選んできたことは正解だったと思ってます。

最後に、フロンターレでどんな存在になっていきたいか教えてください。

フロンターレには上手い選手がたくさんいて、タイトルが狙えるメンバーが揃っています。ただ、シーズンのなかでは良いときもあれば悪い流れのときもたくさん出てくる。ベテランとして、悪いときこそどう踏ん張って、どう良い流れに持っていくのかをメンバーに伝えていければと思っています。辛いときにどれだけ勝ち点を落とさないかが重要になってくるので、僕はそういうときに力を発揮できる存在でありたいです。