DF7 車屋 紳太郎
愛着のあるフロンターレへ恩返ししたい
2017年の初優勝がチームの転換期だった
- プロ10年目のシーズンですね。
- 10年ですね。最近はすごくあっという間に感じます。プロに入った頃は、いろんなことが初めての経験だったので時間が長く感じていたんですけどね。気づいたら32歳になってて、振り返るとすごく早い。今は1年1年がとても早いですね。
- この10年はフロンターレが大きく変化した時間でもありました。
- そうですね。僕が加入した時はまだひとつもタイトルを取れていませんでしたから。それが自分の中でフロンターレを選んだひとつの理由でもあったんですけど。
- タイトルを取れていないことが?
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クラブでの初めてのタイトルを自分が取りたいっていう気持ちがありました。だからやっぱり2017年の初優勝は嬉しかったですね。この10年で1番嬉しい出来事でした。その前に何度もタイトルを逃していた中でしたし、優勝が決まった展開も大逆転優勝だったし(注:最終節で首位・鹿島アントラーズが引き分け2位からの逆転優勝)。あれはチームにとって転換期だったかな、と。あの優勝があったからこそ、その後これだけタイトルを取れるチームになれたと思います。
そして今はその優勝を経験したメンバーが抜けていく中で、自分たちがやらなくちゃいけないっていう気持ちが強くなってます。 - やはり生え抜き選手としての責任感は年々大きくなるものですか。
- 責任感というか、年数が経つにつれてフロンターレへの愛着みたいなものが年々大きくなっているんです。ずっとこのチームでやっていきたい、という思いが強くなって。
- その思いはどういうところから生まれてくるんでしょう。
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チームの人に本当に良くしてもらっていると感じているからです。特に自分が試合に出られない苦しい時に、チームの関係者がしてくれたことが僕の中でも心に大きく残っていて。
2019年頃のことですが…自分がポジションを失ってる時に移籍を考えるタイミングがあったんですね。状況的にも他のチームに行くことになってもおかしくなかった。でもその時に監督や強化担当の方が僕にこのチームでプレーするチャンスをくれたんです。その時からですね。よりチームへの愛情みたいな感情が強くなったと思います。本当に感謝していますし、今度は自分が恩返ししたいという気持ちをずっと持ってます。 - 先ほど優勝がチームの転換期になったと伺いましたが、個人としてもタイトルを取ったことで得られたものは大きいんでしょうか?
- タイトル獲得数や出場試合数というのは、選手の価値に繋がっていくものですからやっぱり大きいと思います。
- 出場試合数も価値なんですね。
- もちろんです。1試合出るだけも相当大変な中で、300試合とか400試合とか出ている選手はすごいですよ。それがたとえ相手チームの選手であってもリスペクトします。僕も300試合というのはひとつ目標にしています。(インタビュー時:J1通算245試合)
- 1試合出るだけでも大変、という言葉にプロで試合に出る重みを感じました。
- 本当に大変です。もちろんポジション争いに勝っていかなきゃいけないこともそうなんですけど、 その前に体と心の準備を整えられるのは当たり前にできることじゃないですから。特に今、自分が長いケガを経験したばかりなのでそれは強く思いますね。
- おっしゃったように、先日ケガから10か月ぶりの復帰を果たされました。改めてここからフロンターレでどんな存在になりたいと考えてらっしゃいますか。
- なにかチームが変わるきっかけに自分がなりたいと思っています。自分が出たことによってチームにメリットもたらせられる存在に。リハビリ中もそういうところを考えながらやっていたので、それをここからピッチで勇気を持って出していくことがすごく大事だと思っています。
インタビューの中で「フロンターレでずっとプレーしたい」という言葉が複数回出てきました。改めて聞いたことはなかったですが、車屋選手のフロンターレへの思いがこんなに強いんだと今更ながら感じることができました。
「できる限りこのチームでずっとプレーしたい。このチームが1番。もうこのチームより上のチームはないと思ってます。 環境面もそうだし、サポーターやチームが選手に対してすごくリスペクト持って接してくれますし。うん、自分の望みで言えば、フロンターレでずっとやりたいです」と。
普段はそんなに言葉数が多くない車屋選手の熱を帯びたコメントに少し驚きましたし、とても嬉しくなりました。チームが苦しい状況のなか、頼もしい存在がピッチに帰ってきました。言葉通り、きっとチームを変えるきっかけになってくれるはずです!