川崎フロンターレ 三浦 颯太選手 川崎フロンターレ 三浦 颯太選手

DF13 三浦 颯太

自分の武器は推進力

今年は考えられないぐらい環境が変わった

チームメイトのみなさんに三浦選手がどんな方か伺うと、揃って「学生みたいな人」と返ってきました(笑)。
大学生みたいなノリしてるってよく言われるんです、自分じゃ分からないんですけど。たぶん褒められてはないですよね(笑)。
今季新加入ですが、すっかりフロンターレのサイドバックとして定着しました。ここまでいかがでしょう?
途中ケガもあって試合数もそんなにこなしてないですけど、もう本当にあっという間でしたね。リーグ戦も残り少なくなってきて、シーズンの終わりが見えてきたというか、あと少ししかないんだなと実感しているところです。
年始から初の日本代表招集があって、移籍があって。激動の1年でしたね。
考えられないぐらい環境が変わったなかで、ちょっと疲れた時もありました。特にシーズン前は本当に忙しくて追いつけなくて。移籍で引っ越しもあるなかで急遽代表に参加して、チームに合流した時はまだ家も決まってないという状態でしたから。
移籍してよかったと思うところは何かありますか。
練習でも試合でも、毎回学びがあるんです。フロンターレでプレーするなかで自分の課題が多く出て明確になる。コーチや監督ともそういった点でコミュニケーションが取れて、 少しずつですけど自分が成長していることを感じられるチームだと思います。
前所属のヴァンフォーレ甲府の時と今はプレースタイルが変化していると評されることがあります。
ベースを変えてるつもりはないんですけど、(甲府時代の特徴だった)ドリブルって見栄えもするし、ピックアップされがちですよね。ドリブルはもちろん自分の長所ではあるんですが1番の武器だと思ってないんです。自分の武器は推進力だと思っていて。ドリブルだけじゃなく、内側と外側で長い距離走ったり、自分が走ることでボールを触らなくても他が空いたり。そういう前に行くパワーですね。そのバリエーションはフロンターレに来て増えたのかなと思います。
三浦選手は、自分はとても運がいいと話されてますよね。
それはもう本当に。運がいいと思いますね。
元々はFC東京の育成組織にいたけど、ユースには上がれなかった。
普通は中学生の時、ユースに練習参加することがあるんですけど、たぶん僕だけ行ってないんじゃないかな。昇格の選考にかすりもしない選手で。帝京高校に進めたのは試合を監督が見てくれたから。公式戦にはほとんど出てなかったけど、たまたま帝京の監督が練習試合を見に来ていたんです。その時の調子が良かったのか、欲しいって言ってくれて。
タイミングも運ですね。
帝京高校は試合数が練習試合含めて多い高校だったこともあって、試合経験をたくさん積めたんです。試合がやっぱり1番自信になるというか、些細なプレーでもそれが自信になる。そのおかげで成長に繋がりました。
プロ入りも運が味方しました?
大学1年生の時、教育実習に行ってた選手の替わりに試合に出たんです。もともと僕はボランチなんですけど、ポジションを埋めるために初めて左サイドバックで。その試合を偶然ヴァンフォーレのスカウトの方が見にきていて、目に止めてくださった。当時、サイドバックはその選手が帰ってきたら終わりかなと思ってたんですけどね。
そこでサイドバックの三浦選手が誕生したんですね。もちろん運だけではないと思いますが、たしかに三浦選手からは運が集まりそうなポジティブな空気を感じます。
どうでしょう。「ネガティブになりにくい」はあるかもしんないですね。例えばケガをした時も、ケガはケガなんで仕方ないな、と。遅かれ早かれ選手はケガをするものなので、シーズンの早い時期でまだよかったな、という考え方はします。でも、「よし!このケガをきっかけにレベルアップして帰ってこよう!!」みたいな感じではないので、悲観的にはならないけど、ポジティブかどうかは微妙なところです。
状況を受け入れていくタイプなんですね。
そうかもしれないです(笑)。
今季のリーグ戦は残り少ないですが、ACLもあってまだまだ試合が続きます。
はい。試合数も増えて大変だと思いますけど、サポーターのみなさんと一緒に戦って1つでもいい結果を掴めるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!
プロフィール

【三浦颯太】2000年9月7日生まれ 東京都昭島市出身 クラブ公式プロフィール
FC東京の育成組織から帝京高校に進みチームの中心選手として活躍。日本体育大学でサイドバックにコンバートされるとJクラブから注目を集め、大学生ながら特別指定選手としてヴァンフォーレ甲府でJ2リーグ5試合に出場。2023年プロ入りすると1年目から存在感を示し、2024年元日に開催されたタイ代表戦でA代表に初選出された。今季からフロンターレに新加入。貴重な左利きの左SBとしてチームに大きく貢献している。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

チームメイトのみなさんが「大学生みたい」と教えてくださったので、軽いノリでお話されるタイプだと思い込んでいたのですが、とても思慮深く言葉を選んで答えてくださる方でした。伺うと、趣味は「神社巡り」。神社に行って、その空気のなかでぼーっとする時間が大好きなんだそうです。その風景が似合う雰囲気を持っていらっしゃるな、と感じました。もちろん同年代の選手とのなかでは違う顔もあるかもしれませんが(笑)。
そしてお話のなかでもありましたが、今年の元日に行われた代表戦にサプライズで招集された三浦選手。J2からの代表招集ということで、ほとんど知っている選手がおらず不安ななか、合宿中は谷口彰悟選手や田中碧選手といった元フロンターレメンバーが「フロンターレに移籍するんだよね?」と話しかけてくれ、一緒に食事をしたりなにかと気にかけてくれたそうです。そのお話になんだかほっこりしました。