川崎フロンターレ 遠野 大弥選手 川崎フロンターレ 遠野 大弥選手

FW17 遠野 大弥

強い気持ちを持って、全てはチームのために

選手への声かけが本当に大事

フロンターレに来て4シーズン目になりますね。振り返っていかがですか?
長かったように感じますね。この4年間で、人が入れ替わって寂しいと感じることがあったり、また新しい気持ちで頑張ろうっていう気持ちになったり。毎年のようにタイトルが取れて嬉しかったと感じる反面、でもまだまだ少ない、もっと取りたい!とも思うし。感情がいろいろ複雑です。
3年前にお話を伺ったとき、これからフロンターレで必要不可欠な選手になりたいとおっしゃっていました。今チームの中でのご自身の現在地をどのように感じていますか?
どうでしょう?徐々に信頼されつつあるとは思ってます。でも、まだまだもっとできるんじゃないかなって。というより、もっともっとやらなきゃいけないと思います。もう若手じゃなく周囲を引っ張っていくような年齢なので、そこをもっと出せたらとは思っていますね。そういう存在になれつつあるとは思ってますけど、でも、まだまだ。
引っ張っていく姿勢とはどんなところを見せていきたいのでしょう。
いやもう、それはまず自分自身の結果です。結果のところがまだ全然足りない。大事なところで点を取ったり良いパスを出したり、やっぱりまずはそういう結果でチームを引っ張っていきたい思いが強いです。
今25歳で先輩はたくさんいらっしゃいますが、引っ張っていくという意識を持たないといけない年齢になりますか?
チーム内での長さではもうベテランの域ですからね。そういう気持ちを持って、若い選手にピッチの中でも外でも声をかけることは意識してます。声かけって本当に大事だと思うし、誰とでも喋れるところは自分の特徴でもありますから。
例えば、試合に出られなかったり調子を落としたりしている選手がいたら、どんな声がけをするんでしょう。
自分もそういった時があったので、自分の経験と照らし合わせたことを伝えたりはします。1番は「腐らないことが大事だよ」って。それは全部自分に跳ね返ってくるよってことを伝えたりしています。
それは遠野選手が感じたことですか?
以前ミツさん(戸田光洋ヘッドコーチ)に言われたんです。腐ってやると全部お前に返ってくるぞって。もう不貞腐れてやるような年齢でもないだろって。その言葉をずっと覚えていて大事にしています。
遠野選手にも不貞腐れてしまいたくなるくらいの時があったんですね。
それはありますよ、すごく悔しい思いをしたりとか。でもやっぱり、そこでちゃんとやるかやらないかで違ってくるんです。うん、見てる人は絶対見ているんで。腐りたくなってもそこでちゃんとやった方が自分のためになる。いつか、やっといてよかったなってなります。
その大事にしている戸田コーチからの言葉を、今度は遠野選手が若い選手に伝えているんですね。
メンバーから外れたり、悔しいことがあったりしても態度に出さないこと。チームの一員として、それがまず大事だと思っています。
これから先、さらにフロンターレの中で必要不可欠な存在になっていく遠野選手を見るのが楽しみです。
僕はずっと同じですよ。強い気持ちを持って、全てはチームのために。これから先もそこは変わりません。
プロフィール

【遠野大弥】1999年3月14日生まれ 静岡県藤枝市出身 クラブ公式プロフィール
藤枝明誠高校からJFL所属のHONDA FCに入団。3年間のプレーで評価を高め2020年川崎フロンターレに完全移籍加入。その年はアビスパ福岡にレンタル移籍し主力として活躍、2021年フロンターレに復帰。左右両足での強烈なシュートとゴールを狙う姿勢が持ち味の一方、持ち前の運動量でチームのための献身的な働きもみせる頼れるFW。今季のルヴァンカップ準々決勝では2戦続けて決勝ゴールを決めチームを4強に導いた。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

今回は久しぶりに遠野選手にお話を伺いました!いつも取材時は面白いことを話してくださる、サービス精神たっぷりの遠野選手。1対1で真面目に語っていただく機会がなかなかないので、ちょっと緊張しました(笑)。
気が付けはフロンターレに加入して4年目。25歳といえばまだ中堅と呼ばれる年齢ですが、もうご本人としてはベテランとしてチームを引っ張っていく、という強い気持ちを持っていらっしゃるということが伝わってきました。前回ゆっくりとお話を伺った時よりも「チームのために」という思いが強くなっていることを感じて、言葉の一つ一つがとても頼もしかったです。
ところで昨年誕生したご長男は間も無く1歳半。とにかく可愛くて可愛くてしかない、とのことで今一番幸せな時間は「子供と寝ている時」だそうです。なのでこのインタビューの時も「だから早く帰りたい」と会いたくて仕方ない様子でした(笑)。