川崎フロンターレ 宮城 天選手 川崎フロンターレ 宮城 天選手

FW24 宮城 天

常に自信を持ち続ける

昨年の悔しさも無駄ではなかった

今季にかける思いを教えてください。
期限付き移籍から戻った2024年を自分の中で大事な1年と位置づけていましたが、実際はピッチに立つという土俵にもなかなか上がれなくて。気持ちを切り替えて、今季はまず全試合に出場するという目標を持って臨んでます。
昨年はプロ入りして初めて無得点で終わったシーズンでもありました。
得点のことより、試合に多く絡めなかった悔しさが大きいです。ケガもあって自分のイメージしたプレーが1年で1回もできなかったので、しょうがないとは思いますけど。ただ、やれることはやったと自分では思っているし、やってきたからこそ今年はスタートから点を決められて、試合に絡めている状況があるので、無駄ではなかったと思います。
大事な年と位置づけた中で、ケガを含めうまくいかない状況はメンタルが落ちることもあったんじゃないかと想像します。
メンタルが落ちることはなかったですね。それは自信があったからだと思います。昨年ハイパフォーマンスは出せなかったですけど、ケガが治ってコンディションさえ整えば「自分はやれる」という自信を常に持ち続けてたので、いかに状況を早く好転させるかを考えてました。できないことや無理なものは無理なんで、考えすぎずにやることをやるだけだと。
そういえば、アカデミーの後輩の神橋選手が「天くんは昔からいつも堂々としてる」と話してました。
ジュニアユースのときくらいから「自分が1番だ」って気持ちを忘れずにやりたいと思ってました。他人からの評価とか数字とかもありますけど、やっぱり自分が1番って思わないとそれがプレーにも出てくる。そこは自分がサッカーをする中で持ち続けてる思いの一つですね。
自信を持つって簡単じゃないと思います。
自分も元々は考えすぎちゃうタイプなんですよ。でもプロになった18歳や19歳の頃より今はスイッチの切り替えがうまくできるようになってきて、メンタルのブレが少しずつ減ってきました。家庭を持ったこともあると思いますけど、何より期限付きでフロンターレを出た経験は大きかったかな、と。
期限付き移籍の経験が自信に繋がった?
フロンターレでは試合に出ても途中出場だったりして、あまり自分が求められてるという感覚が持てなくて。求められてないと感じると、どんなに自信があってもだんだんその気持ちを保つことが難しくなっていくんです。だけど外に出て、自分を求めて評価してくれるチームや監督に出会ったことで自分の価値を改めて認識させてもらえましたし、それが自信になりましたね。
頼られてる、必要とされていると感じることってすごいパワーになるんですね
いやもう180度違います。自信を持つとプレーの質が変わっちゃうんですよ。求められてないと、その自信がどうしても揺らいでいくというか…サッカー選手はみんなそうだと思いますけど。
今はどうでしょう?フロンターレの中で存在感を出しつつあるところですけど、頼られる存在になりつつあると感じますか。
昨年よりその感覚はありますけど、出場時間も足りないのでまだまだです。ただ、日々やってきたことが実ってきているとも感じてます。1年間試合に絡み続けられれば、周囲からの信頼はついてくると思うので、そこは意識してやっていきたいですね。試合に出られれば得点に絡める自信はあるので。
プロフィール

【宮城天】2001年6月2日生まれ 神奈川県川崎市出身
小学4年生からフロンターレのアカデミーで育ち、2020年トップ昇格。2020年、2022年、2023年の3シーズンはカターレ富山、V・ファーレン長崎、モンテディオ山形に期限付き移籍し、昨季川崎フロンターレに復帰した。スピード、テクニック、ドリブルやシュートの精度と類まれな能力を持ち、多くの得点に絡む活躍が期待されている。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

お話している中で何度も「自信」という言葉が出てきました。一見強靭なメンタルの持ち主の言葉にも聞こえますが、「揺らぐ時もある」「元々は考えすぎるタイプ」という言葉にあるように、繊細な面があるからこそ「自信」という武器の大きさを知っているんでしょう。「才能」と評されるそのプレーも、実は小さな努力の積み重ねなのかもしれません。
ユースから昇格してもう今年で6年目なんですね。この間に3つのクラブへ期限付き移籍し、そこで揉まれて経験を積んで。昨年の悔しい経験も糧にしながらいよいよここからフロンターレの主軸になっていく物語が始まるのかと思うとワクワクします!
ところで宮城選手の普段のキャラクターについて小学生から一緒にプレーしている同じ歳の山内日向汰選手に伺うと「一見トゲトゲしてるけど、近付くとぷにぷにして優しい人」なのだそうです(笑)。確かに宮城選手、2歳のご長女の話になると「子育て楽しんでます!」と優しいぷにぷにのパパの顔になってました。