川崎フロンターレ 土屋 櫂大選手×野田 裕人選手 川崎フロンターレ 土屋 櫂大選手×野田 裕人選手

DF39 土屋 櫂大選手 × DF30 野田 裕人選手

いつかフロンターレを象徴する選手に

ヒロトを見に選手権に行きました

今回は高卒ルーキーで同期加入のお2人の登場です!仲良しと伺いましたが、最初に言葉を交わしたときのことを覚えてますか?
土屋
ヒロトがフロンターレに加入すると決まったあと、選手権(全国高校サッカー選手権大会・野田選手は静岡学園キャプテンとして出場)を僕が見に行って、そこで挨拶しました。
野田選手に会いに行ったんですか?
土屋
ヒロトがいるから選手権を見に行ったんです。
野田
そこが初めましてだったよね。
土屋
だけど最初試合前に声かけた時はヒロトが試合モードで。「土屋櫂大です。がんばってね!」って声かけたら、「あ、はい、どうもありがとうございます」って…めちゃくちゃ真面目な人だなって。
野田
「野田裕人です…こちらこそよろしくお願いします」ってね。
土屋
その次に会ったのが入寮するときで。僕が1日早く寮に入っていて、ヒロトが来たって聞いて部屋に行ったんですよ。そしたら!真面目っぽさが全くなくなってて、急に「お~~~!!」って、もう何年も一緒にいた友達みたいな距離の詰め方してきたんですよ!「え?君誰?」「そんな急に来る?」ってあれはびっくりしました(笑)。
野田
第一印象大事かなと思ったんだけど、失敗してた?(笑)同級生なのに距離があったらイヤじゃないですか。できればなんでも言い合える関係になって、互いに落ち着く場所にしたいかなって。
野田選手は土屋選手の印象はいかがでしたか?
野田
正直、選手権で初めて会った時の印象はほとんどないんです。今、カイトのことを知るようになって感じるのは「かまってちゃんだな~」ってことです(笑)。
土屋
僕は1人でいるのがダメで、すぐヒロトの部屋に行ったりしちゃうんです。人といるのが好きなんで。クラブハウスでも、お風呂や食堂に行くとき、ヒロトにいつも「もう行く?」とか聞いて一緒に行こうとしちゃう。寂しがりなんです。

カイトが1対1で負けてるのを見たことがない

いつも一緒にいるんですね(笑)。プレーについても聞かせてください。お互い、ここがすごいと感じているところはありますか?
土屋
ヒロトは運動量がすごいし、静岡学園育ちの足元の技術がすごい!止める、蹴るもそうだしリフティングやドリブルとか全部うまい!自分にうまさがないので、そこは僕も欲しいと感じてるヒロトの武器です。
よく選手のプレーについて「うまい」という表現がありますが、どういうところを見ていると違いが分かるのでしょう?
土屋
もちろん「止める、蹴る」は見ていて1番分かりやすいとは思います。あと、ヒロトの場合だと「ドリブルで目の前の選手を足先で剥がす」ことができるんです。
「足先で剥がす」とはどういう状況ですか?
土屋
スピードや緩急を付けてドリブルで抜く、ということとは違って、ヒロトは守備に来た相手のDFの足を自分のボールタッチでかわして突破することができるんです。そういう場面は練習の中でもよく見ますね。
野田
いや褒めすぎ(笑)。カイトは1対1の局面、対人のところで負けてるのを見たことがないです。カイトより体格が大きい選手に対しても、読みや予測で相手よりも早く動けるんです。だから負けない。あとヘディング!練習で見た時びっくりして。滞空時間も違うし、タイミングの取り方も違う。
土屋
たしかに高校の時はヘディングが自分の武器だったんだけど、トップチームにきたらもっとヘディングの強いDFがうじゃうじゃいたんだよね…(苦笑)。
野田
いやでもインパクトの強さは負けてないと思うよ。
土屋
言い過ぎだから(照笑)。
ルーキーイヤーですが、これからどんな選手になっていきたいですか?
土屋
旭くん(佐々木旭選手)や、谷口彰悟さんのように、自分もいずれは5番(の背番号)を背負ってフロンターレのDFリーダーと呼ばれる選手になりたいと思ってます。ジュニアユースの頃から谷口彰悟さんが憧れで、そこにここ数年は旭くんが5番をつけて最終ラインで活躍しているのを「かっこいいな」と思って見ていて。いつか5番をつけてそういう選手になりたいです。
そんな話を聞くと、いつか土屋選手が5番を背負う姿を見たら私が泣いちゃうかもしれません。。
野田
それは僕も泣くと思います。
では一緒に泣きましょうか(笑)。野田選手はどんな選手になりたいですか?
野田
こいつがいたらこのサイドは絶対に負けないよ!っていう選手ですね。どこにでもいるなってくらい上下運動をして、攻撃参加もするし最終ラインで守備もする。「こいつがゲームを作ってるな」と言われる選手になっていきたいです。
土屋
うん、なれるね。
本当におふたり仲良しですね(笑)。コメントもとても頼もしいですし、お2人が未来のフロンターレを作っていくと思うと楽しみです。
野田
試合に出るためには尊敬する先輩たちからスタメンを奪わなきゃいけないですから。まずは、先輩たちから吸収できるところは吸収して、いずれはフロンターレを象徴する選手になれるよう頑張ります。
土屋
僕もいずれはフロンターレを代表するようなDFになりたいです。そのために今は先輩たちからたくさんのことを吸収して自分の成長に繋げられるように、日々練習に取り組んでいきたいと思っています。
プロフィール

【土屋櫂大】2006年5月12日生まれ 神奈川県横浜市出身 クラブ公式プロフィール
フロンターレU-13からアカデミーで育ち、今季トップチームに昇格。対人に絶対の自信を持ち、空中戦の高さ、スピード、技術、コーチングと全てを兼ね備えたCB。今年はU-20W杯での活躍も期待されている。

【野田裕人】2006年4月5日生まれ 岐阜県各務原市出身 クラブ公式プロフィール
静岡学園高校から今季フロンターレに加入。スピードとテクニックに優れた攻撃的SB。静岡学園ではキャプテンとして強豪チームをまとめたリーダーシップも併せ持ち、明るい性格でムードメーカーでもある。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

このインタビューが決まった頃、ちょうど土屋選手がプロデビューを果たしました!
4月9日に開催されたJ1リーグ第5節 横浜Fマリノス戦。試合終盤、1点リードで逃げ切りを図る大事な場面で投入された土屋選手。でも、チームはそこから2失点。最終的にはドローに持ち込んだものの、土屋選手にとってはホロ苦いデビューとなり、その責任感の強さから試合後は涙を流すシーンも中継画面に映し出されました。
土屋選手がピッチに入る時、スタンドから「カイト頑張れ!!」と声に出していたという野田選手は「カイトがあの舞台に立って、あの状況で戦い抜いただけですごい。だから絶対下を向いてほしくないって思った」と話し、試合後はすぐに「よくやったよ!」と声をかけに行ったそう。
「僕はその時泣きすぎていて、なんて声をかけてくれたかは覚えてないんですけど、ヒロトとクンヒョン(GKイ クンヒョン選手・同期の高卒ルーキー)が来てくれたのは覚えています」と土屋選手。この試合の後はたくさんの先輩たちが土屋選手に声がけをしていましたが、同じ年の3人のその場面を想像すると更に胸が熱くなりました。
まだ始まったばかりのそれぞれの物語の続きを楽しみに読み進めたいです。

⾼⽊聖佳
⾼⽊聖佳(X @takagikiyoka