MF29 名願斗哉
成長してフロンターレに帰ってこられた
応援してくれるありがたさに気づかせてもらえた
- 1年半のベガルタ仙台への期限付き移籍から戻ってきました。2024年に仙台に移籍されたときの思いから教えてもらえますか?
- 絶対に何か成長してフロンターレに帰ってくることを目標にして出ていきました。この1年半、仙台でずっと試合に出られたかといえばそうじゃないですけど、J1昇格プレーオフに出場させてもらったり、違う環境の中で日々練習に取り組んだりといろんなことを経験させてもらって、成長して川崎に帰ってこられたと思っています。
- プロ1年目の2023年は公式戦3試合の出場に留まりました。もがいていた時期でしたか?
- 試合のときは緊張もしていたし、本当に何もできなかったなって。それが悔しくて「このままじゃダメだ、何か変えないと」と思って期限付き移籍を決意しました。
- プロデビュー戦で(ルヴァンカップ・清水エスパルス戦)スタメン出場も、ハーフタイムで交代を告げられ、試合後悔しがっていた姿が印象的でした。
- 今でも覚えています。アウェイだったんですけど、本当にすごい雰囲気で。ああ、これがプロの試合かって…そこに飲み込まれてしまった。あの1年目に比べたら、今は自信を持ってやれているし、自分の中でも「できるようになった」と感じられています。
- 仙台では、途中出場が多かったものの大事な場面での起用も多く、今季はJ初ゴールも決めました。得たものは大きかったですか?
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試合に出続けることの難しさだったり、逆に出られない時に何ができるかとか、チームへの貢献の形を考えたり。なによりチームの中で自分をどう表現するかというところは本当に良い経験になりました。
練習の中で自分はこういうプレーが得意で、こういう選手なんだっていうのをしっかり出すことを考えてやっていて、実際にピッチで自分を出すことができたと思います。特に攻撃の部分では十分通用するなと自分の中で感じられたことは大きかったです。自分はドリブルが1番得意な部分なので、そこもチームの中で誰にも負けないつもりでやれていました。 - 周囲から期待されている、と感じられたことも選手としては大事なことですよね。
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仙台のサポーターって本当に熱くて、めちゃくちゃ気持ちがこもった応援をしてくださるんです。ホームでの試合の時、応援が直接自分の心に響いてくるというか…これだけ熱い応援してくれるなら、自分はもっとやらなきゃって気持ちになる。仙台ではそこを1番感じられたし、うん、1番印象に残ったことです。
練習場のファンサービスの時も、「名願選手のドリブルが本当に大好きです」って言ってもらったりして、そういった人たちのためにも、自分のプレーをもっと見せられるように頑張りたいって気持ちになりました。応援してくれる人がいるから自分がプレーできる、というそのありがたさに気づかせてもらえたことは大きなことでした。 - プレーも変わりました?
- どうなんでしょう…プレーを変えた意識はなくて。ただ、仙台の森山監督は、気持ちの部分や戦う姿勢だったりを大事にしてる方なんですけど、そこは自分に足りなかったところなので、その部分に気づかせてもらいました。新しい一面というか。
- 森山佳郎監督はかなり熱い監督だと聞いています。
- フロンターレでの1年目のオニさん(鬼木達・前監督)は、技術の部分をとても大事にしてる方だったし、自分も高校の時からボールを扱うことには自信がある選手だったんです。でも仙台では監督から球際やハードワーク、戦う姿勢を強く求められて。最初はちょっと苦戦したんですけど、でも、そういった部分も自分の中で出てきたかなと思います。
- 2025年8月にフロンターレに戻る決断をされました。
- 自分の中で何か変えなきゃいけないと思っているタイミングで、川崎から「戻ってこないか」という提案をいただきました。「いつかフロンターレに戻る」という気持ちはやっぱりずっとあったんです。フロンターレでプレーできる選手は限られてるし、自分自身もフロンターレの選手としてプレーできる時間は限られていて…。1年目はたくさん悔しい思いもしたし、ここからまた苦労もあるかもしれないけど、もう1度川崎で自分の力をつけて、川崎で活躍できる選手になっていきたいと思って戻ることを決めました。
- フロンターレで見せていきたいものはありますか?
- 自分にしか出せないプレーがあると思います。やっぱり1番得意なのはドリブルの部分なので、その強みをこのチームで出していきたい。きっと他の選手より輝けるところがあるんじゃないかと思っています。
- ちなみに、帰ってくることは同期の大関友翔選手は喜んでいました?
- 事前に連絡したんですけど、喜んでました! 同期の高井(高井幸大選手/トッテナム・ホットスパーFC)が海外に行っちゃったから、あいつ1人だったし寮で寂しそうだったんで(笑)。今はオフの日も一緒に過ごしたりしてます。
- 「俺たちの年代でフロンターレ変えていこうぜ!」みたいな話をしたりとか?
- そういう熱い話はあんまりしないっすね(笑)。でももちろん思ってはいますよ。口にしないだけで、お互い。
- 主力だった選手が引退したり、移籍したりとチームはどんどん変わっていきますね。
- 寂しい気持ちは当然あります。だからって自分が何もしないでこのままサッカー人生を続けていくことはできない。どこかでやっぱり「じゃあ自分が」っていうところは必ずあります。
- 高井選手や大関選手の活躍も大きな刺激ですか?
- 自分と同じ年の同じチームでプレーしてた選手が、海外に行ったり代表で活躍してる姿を見て「自分は何やってるんだ、自分はもっと頑張らなきゃ」っていう気持ちもありました。もちろん活躍してる姿を見るのは嬉しいんです。だけど心の中では「自分も負けないし、負けたくない」って気持ちも当然あって。それはたぶん向こうにもあると思う。また同じピッチで一緒にサッカーがしたいし、対戦もしたい。だから今はまず、彼らに追いつけるようにという気持ちです。
【名願斗哉】2004年6月29日生まれ 大阪府堺市出身 クラブ公式プロフィール
ガンバ大阪Jr.ユース、履正社高校を経て2023年川崎フロンターレに加入。2024シーズンからはJ2ベガルタ仙台への育成型期限付き移籍で経験を積み、2025年8月にフロンターレに復帰した。スピードに乗ったドリブルと足元の技術、視野の広さが武器のサイドアタッカー。その攻撃センスで、今後のフロンターレの攻撃をさらに活性化させていく存在となることが期待されている。
2年ぶりに名願選手にお話を伺えました。
前回はルーキーイヤー。まさに高卒1年目!って感じの初々しい印象だったのですが、言葉ひとつひとつに強い意志を感じられて、精悍さを増した表情と合わせ「大人になって帰ってきた…」という印象でした(なんだか上からな表現ですみません!!)。仙台で本当に多くの経験を積んでまさに大きくなって帰ってこられたんだな、と。
試合に出ること。期待されていると感じること。この2つは選手にとって大きな大きな成長の糧になるのだと改めて知ることができました。
3月にはJ初ゴールも決めた名願選手。今度はフロンターレでの初ゴールが目標で「どんな形でも、泥臭くてもいいから目に見える結果がほしい」と意気込んでいました。インタビュー時点で8月のフロンターレ復帰以降、ベンチ入りはあるものの、まだ公式戦のピッチには立てていません。仙台での成長をピッチで体現してくれる時間を楽しみに待ちたいと思います!