川崎フロンターレ 脇坂 泰斗選手 川崎フロンターレ 脇坂 泰斗選手

MF14 脇坂 泰斗

勝負にこだわる姿勢が絶対に大事

今年のチームにはバチバチする雰囲気がある

もう30歳と聞いて驚きました。
「え、お前もう30か!」みたいによく言われますね。若い頃を知ってる人とかにはとくに。ユウさん(小林悠選手)にもびっくりされたし。開幕戦のメンバー表を見て、自分がフィールドのメンバーで一番年上だったときは自分でも衝撃でしたね(笑)。
今やフロンターレの顔といえる存在ですが、調べると大卒で入った1年目はほとんど試合に絡めてなかったんですね。意外です。
そうですね、1年目で出られたのはACLの消化試合と天皇杯の初戦の2試合のみでした。僕はヒデ(守田英正選手・現スポルティングCP)と同期だったんです。あいつは1年目から中心選手になっていきましたけど、僕はその頃下積みしてました。
そのときどう感じていたか覚えてます?
悔しさはありましたけど、まあでもヒデの伸び方は結構すごかったから。そのまま日本代表までいっちゃいましたからね(笑)。それに、チームのレベルもすごく高くて。当時交代枠は3でベンチ入りメンバー18(現在は交代枠5、ベンチ入りメンバー20)だったし、試合すれば勝つしで。これはもう自分は食い込みようがないなと。だからこそ、より自分のことにフォーカスした1年にできたという感じでしたね。筋力アップやトレーニングに打ち込めた側面はあったんで、今思えば充実した1年だったとは思います。
その頃のチームはどういう雰囲気でしたか。
紅白戦では主力メンバーとサブ組がバチバチになってましたね。僕はその紅白戦にも入れなかったから見てたんですけど、すごかったです。
サブ組は上を食ってやろう、みたいな空気?
自分が大学生のときのプロのサブ組の印象ってあったんですよ。練習試合をしたら、相手は「大学生相手だから」って気だるそうなプレーをしてくるというか、「大学と試合かよ」みたいな空気。だけどその時のフロンターレのサブ組は、たとえ大学生相手でもそんな空気は一切ない。もちろんそれがプロのあるべき姿なんですけど、当時、このチームに入ってよかったなと思ったのを覚えてます。
その頃のフロンターレの持つ雰囲気は特別だったとよく聞きます。
だけど今年、その雰囲気に近いものがあるんです。キャンプの時、結構バチバチするようになったんですよ。それがなんかすごく嬉しいというか。若い選手も負けん気が強くて、はい、嬉しいんです。
そうなんですね!
若い選手も含めてキャンプで1回バチバチしたことがあったんですよ、練習ゲームのなかで。紅白戦でも「1つのゴールが生まれたら喜ぶ」みたいな雰囲気が出てきたから、そこは本当に嬉しいですね。そのバチバチ感はここからもやっていきたいなと思ってます。勝負にこだわる姿勢っていうのは絶対大事なので。
キャンプでお話を伺った時「タイトル獲得への思いの強さは自分が1番」と言っていたのが印象的でした。
そこはもう、絶対自分がチームで1番だと思います。
その思いはどこからくるものですか?
気持ちのところなんで、言語化するのが難しいんですけどね。ただ、去年のACLEで悔しい思いをしているし、もう3年タイトルから遠ざかっていますし。やっぱりタイトルは取り続けないと、そこへの喜びとかこだわりが簡単に薄れてしまうと思うんです。だからこそ毎年毎年狙っていかなきゃいけないものなんですけど。
ちょうどその2024年からキャプテンをされています。その責任感みたいなものも背負っていらっしゃるのかと感じました。
そうですね。僕がキャプテンになってから1回もタイトルを獲ってなくて。やっぱりその責任は絶対自分にあると思ってます。チームのキャプテンですから。
キャプテンで14番をつけて。背負っているものが大きくて大変だろうなと心配になります。
でも、自分が背負ってる期待っていうのは大きい方が成長できると思うんです。自分がサッカーをやってる意味をすごく感じるというか。大きな期待を背負ってプレーできるのは、みんなができるものじゃないですし、自分自身の唯一無二の経験ができていると思ってます。他の人にはできないことだからこそ、そこを含めて純粋にサッカーを楽しめてます。ただ、そのなかで結果に結びつけないのはやっぱ悔しい。だからもっともっとやらないといけないと思ってます。
今年の個人の目標は「JリーグMVP」ともはっきりおっしゃっていました。
高い目標を言葉にしていかないと、それなりのことしかできないですから。自分にプレッシャーかけていこうと思ってるんです。そうすることで楽しくなるし、実際今すごくサッカーを楽しめてるんです。成長を感じられてるし充実してます。
30歳。サッカープレーヤーとして脂が乗る時期なんでしょうか。
27歳とか28歳とかっていうイメージがあったんですけど、憲剛さんは35歳からだって言ってましたから。じゃあまだ自分は浅いわって(笑)。
フロンターレの先輩にアキさん(家長昭博選手)もいますしね。アキさんを見てても肉体的に衰えてるって思ったことがないですから。自分はまだまだですし、ベテランって言われたくないんです。
プロフィール

【脇坂 泰斗】1995年6月11日生まれ 神奈川県横浜市出身 クラブ公式プロフィール
高い技術と戦術眼を持つ攻撃的MF。フロンターレの攻撃にアクセントを加え、リズムを生み出すゲームメーカーであり、試合を落ち着かせるチームの精神的支柱でもある存在。2022年からはフロンターレのレジェンド中村憲剛さんの背番号「14」を受け継ぎ、2024年からはキャプテンとしてチームを牽引している。Jリーグベストイレブン3回受賞、Jリーグ優秀選手賞6回受賞。

フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye フリーアナウンサー 高木聖佳’s eye

今回は久しぶりに脇坂泰斗選手の登場です!プロ8年目を迎えた頼れるキャプテン。いまやフロンターレの中心選手としてピッチ内外で欠かせない存在になっています。
今回は「SukiSukiFrotale」番組内の“オビフロ”で、フロンターレOB武岡優斗さんとの対談という形でお話を伺いました。脇坂選手のルーキーイヤーに一緒にプレーしているお2人から、当時のフロンターレの話がたくさん聞けてとても楽しかったです!全編はぜひ番組をご覧ください。
ちなみにルーキーイヤーの出場は2試合だけだった、というお話がありましたが、そのうちの1試合(ACL)では、スタメンだったものの思ったようなプレーができず、まさかの前半38分で交代になったそうです。その時、試合後に知念慶選手(現鹿島アントラーズ)や長谷川竜也選手(現北海道コンサドーレ札幌)が食事に連れて行ってくれて「俺も45分で替えられたことあるよ」と声をかけてくれたそうです。
そして今、公式戦で悔しい思いをした若手選手には「俺なんて38分で替えられたんだぞ」と、その時の自分の話を持ち出して元気づけているそう。なんだかとても素敵だなと思いました。

⾼⽊聖佳
⾼⽊聖佳(X @takagikiyoka