GK21 早坂 勇希
選手はそれぞれの立場でやるべきことがある
試合に出ないと気づけないことがたくさんあった
- フロンターレ魂には2回目の登場です。前回はルーキーイヤーでしたが、もうプロ5年目のシーズンですね。
- 「あっという間だな」っていうのが率直な感想ですね。ただ、まだチームの勝利に貢献できてないので、自分の中でもどかしさはあります。
- GK(ゴールキーパー)はなかなか出場のチャンスが巡ってこないポジションでもあります。一方で準備は常に万端にしておかなくてはいけない。気持ちの面ではどう折り合いをつけてるんですか。
- 試合の日までは全員がライバルでそこで勝ち抜かなきゃいけないと思ってやってますけど、メンバー発表があって試合当日を迎えたら、もう頭の中を全部切り替えます。このクラブのために戦おうと。その切り替えは、1年目から変わらずやってきました。
- 早坂選手はメンバー外の試合でも、試合前のアップをピッチのすぐ近くで見て、ロッカーに戻る選手たちを必ずハイタッチで声をかけて迎えてますよね。
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サッカー選手ってそれぞれの立場で、それぞれのやるべきことがあると思うんです。何かアクシデントがあればキックオフの笛が鳴るまではメンバー変更は可能。だから自分がメンバー外でもスタジアムに早く入って、アップの雰囲気をしっかり見るようにしてます。
出番がない、という前提で試合会場に行くと、いざメンバーに入ることになったときに切り替えが難しいですよね。個人的には常に試合に臨むチームと同じ温度感でいたいし、そのためにできることをしておきたいと思ってるんです。 - アップから戻る選手への声かけも熱量が高いです。
- 例えば先日はオサ(長璃喜選手)のデビュー戦がありましたけど、緊張している若い選手にどんな声かけができるか考えます。試合のメンバーが集中している中で、メンバー外だからこそできることはあって。いろんなところに目を配りながらやってるつもりではいます。
- 昨季はいわきFCでプレーしました。カップ戦含め17試合に出場し、経験を積んで帰ってきました。
- 試合に出ないと気付けない部分がたくさんありました。例えば、公式戦の雰囲気の中だと声が届かない。だからこそ日頃の練習やコミュニケーションがすごく大事なんだ、とか。他にも試合に出たからこそ、自分の長所も短所も、よりはっきりしたと感じてます。
- 身体も変わったと聞きました。
- いわきFCのビジョンに「日本のフィジカルスタンダードを変える」というものがあるんです。筋トレ専門のコーチがついてたり、栄養士さんがサポートする食事の環境も整っていて。そこがいわきFCの強みだったので、自分の変化は感じました。僕は結婚したばっかりだったんですけど、妻も栄養士さんと面談したり一緒に成長してくれて、特に食事の面はいわきでの1年間で2人でレベルアップできたと思います。おかげで今が1番動ける身体になっていると感じてます。
- フロンターレでのプレーに人一倍こだわってた早坂選手だからこそ、他のチームのユニフォームを着ることで感じることも多かったのかもと想像します。
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いわきFCは東日本大震災をきっかけに誕生したチームで、「浜を照らす光となる」というビジョンもあるんです。そのいわきのエンブレムを背負う責任をすごく重く感じてプレーしていました。被災地を訪問したり、街に寄り添って街の人たちから応援されるように、っていうところはフロンターレと似てる部分でもありましたね。
今もいわきの人がたくさん応援してくれてるんです。その人たちにJ1の舞台で活躍してる姿を見せたいですし、なにか恩返しできたらと思ってます。 - フロンターレではまた新たな挑戦が始まってます。
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もちろんプレーで貢献することが1番ですが、それ以外のところでも下の世代に伝える役割を果たしていきたい。クラブをずっと支えてきた選手たちが入れ替わっていくなかで、例えば(東日本大震災の被災地の)陸前高田でのフロンターレの活動を知らなかったり、行ったことがない選手が増えてきているんです。そういう取り組みにどう巻き込んでいくかも考えていきたくて。
そして何より、フロンターレが勝ち続けなきゃいけない、タイトルを取らなきゃいけないチームなんだっていう意識が時代と共に薄れていくことが1番よくないと思ってるので、そこをどう伝えていけるのかも大事なことだと考えています。 - そこまで考えてるんですね。
- サッカー選手は自分がつけてるエンブレムのためにやらなきゃいけない職業だと思ってるんです。大学の時も、桐蔭横浜大学が1番になるためにどうするかっていうことをずっと考えてました。自分が嫌われようが、自分の思ったことを言葉にして行動できるのは自分の強みでもあると思ってます。だからこの先サッカー選手を辞めても、うん、どこか就職したら、自分はその会社がどれだけ良くなるかっていうのを1番に考えるんだろうな、とは思いますね(笑)。
- 明日お誕生日ですね(取材日翌日の5月22日)。最後に27歳の意気込みをお願いします。
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まずは健康第一!健康じゃないとチャンスも巡ってこないので。そして、まだここまで自分が出た試合でクリーンシートで勝ったことがないので、今の目標は無失点で勝ち切るということ。あとは…子育て頑張ります!
【早坂勇希】1999年5月22日生まれ 東京都大田区出身 クラブ公式プロフィール
フロンターレのアカデミーで育ち、桐蔭横浜大学を経て2022年トップチームに加入。2025年はJ2いわきFCで経験を積み、今季フロンターレに復帰。シュートストップと足元の技術を生かしたビルドアップが持ち味。冷静な判断力と堅実なプレーでチームを支える守護神候補として期待されている。
子育て頑張ります!で締めてくれましたが、早坂選手は4月に第一子となる男の子が誕生し、パパになりました!奥様と「2人で育てあげたい」という思いのもと、できることは全てやろうと意気込んでいるそうです。スタジアムで一緒に入場したいし、物心つくまでサッカーしている姿をみせたい!と笑顔で話してくれました。
ところで、いつも早坂選手についてすごいな~と思うのが「人の名前を覚えていること」。私たちメディアやクラブのフロントスタッフ、クラブハウスの食堂や清掃のスタッフまで、チームに関わる人たちの顔と名前を覚える、ということをとても大事にしているんです。
「僕ら選手は覚えてもらいやすいし覚えてもらえる喜びもありますよね。それが一方的じゃなくて、今度は僕らが知ろうとすることで距離が縮まってコミュニケーションが取りやすくなるかなって。このクラブのために動いて一緒に戦ってくれてる人たちといい関係性を作ることで、チームが少しでも良くなればいいなって思ってます」とのこと。
ピッチの中でも外でもチームのことを1番に考え続ける早坂選手は、ここからのフロンターレにとってさらに大きな存在になっていきそうです。